永遠の片想い
「私、先輩ともっと早く知り合って、もっと…仲良くなりたかったです…っ」


佳祐の彼女だと知った、あの瞬間の胸の痛さ。

今でもはっきり覚えている。

佳祐の冷めた目も、マリの泣き顔も、ユキ先輩のツラそうな顔も。

記憶の中で、こんなにはっきりと鮮明に覚えているんだ。


「絵里奈…っ。ごめん…でも、ありがとう…っ」


先輩の薬指に光る、小さな指輪。


まだその現実を受け入れられなくて、逸らす瞳は未来を映せない。



−−−−−……



「話せたの?」


教室に戻ると、心配そうなチカが待っていた。


「うん、ありがとう」


泣き腫らした目をした私を見て、チカまで泣きそうになっている。
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