永遠の片想い
「よく頑張ったね」


そう言って抱きしめられたチカの腕の中で、私はまるで子供のように泣いた。



寂しくて。

苦しくて。

悲しくて。


一粒溢れては一粒零れ、その一つ一つには、きっと私の色んな想いが入っているんだ。


「ご飯でも食べに行こうか」


どれ位の時間、泣いていたんだろう。

先に口を開いたチカの言葉に、ハっとし辺りを見回す。

窓の外に見える空に、いつかの夕焼けを思い出した。


「チカ、ごめん…ありがとね」


視線を落とす私に、優しく笑う。


「絵里奈の好きなグラタン食べに行こう」


温かいチカの手に導かれながら、私は教室を後にし下駄箱へと向かった。
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