永遠の片想い
「よぉ、トシ」


ミっくんは片手をあげ、トシに声をかける。

私達に気付いたトシは駐輪場にバイクを停めると、何だか暗い顔で歩いてきた。


「ユミちゃんにフラれた」

「は、まじで?!」


トシはため息まじりに小さく頷く。

ユミちゃんとは、最近トシが気になっていたという一つ下の女の子だ。


「よし、今日はオールで飲むぞ」


そう言って立ち上がると、同意を求めるかのように私の肩を叩くミっくん。


「えっ、私も?」


マヌケな顔をする自分が、頭に浮かぶ。


「冷たい事言うなよ。どうせ暇人なんだろ」


"なぁ"と、トシの肩を組みながら笑うミっくんの言葉に、結局私が向かう場所は一緒だった。
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