永遠の片想い
トシが目を見開く。


「ちゃんとフラれたいんだ」


中途半端に気持ちだけが残ってるから、いつまで経っても前に進めないんだろう。


「逢わせて欲しいの」


もう一度強くそう言うと、トシはタバコをくわえ、同じ位強い瞳で私を見据えた。


「後悔しねぇ?」


煙りを吐き出しながら問う彼に、迷いなく答える。


「後悔なんかしない」


するわけがないよ。


好きで好きで、どうしても好きで、いつも佳祐の背中を探してた。

届かなくても、諦められなくて。

伸ばした先に見えた未来は、間違いなく幸せだったと、今はそう思うんだ。


だけど、好きになった人は、大切な人の大切な人だった。

そんな恋だった。
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