永遠の片想い
ガラにもなく俯くトシの背中に、涙を堪えたのは私の方だった。


「トシ、本当にありがとう」


そう言い残し、抑えられなかった気持ちに背を向けた私。

結局いつだって、自分の弱さに甘えてばかりで、強くなれずにいた。


だけど私は変わる為に、前を向いたんだ。


次に会った時、トシに心から笑って"ありがとう"が言えるように、私は前だけを見て歩き出した。



−−−−−……



色んな事を考えながら辿り着いた場所は、いつか二人で行きたいと話していた、海が見渡せる公園だった。

あの頃の約束が、こんな風に叶うなんて。

待ち合わせ時間より早く着いた私は、そこから見える景色に一人涙を堪える。
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