永遠の片想い
振り返った先にいたのは、息を切らした佳祐だった。


「お前、急に逃げんなって…っ」


その言葉に、返事をするより先に涙が零れる。


「絵里…」


私の名前を呼びながら頬に触れた彼の指はあまりにも優しくて、溢れる涙は増すばかりだった。


「何で泣いてんだよ」

「佳祐のせいだもん…っ」

「俺のせいなの?」


そう言って、あの柔らかい顔で笑った。


「好き…っ」


佳祐は、驚いた様に目を見開く。


「私は、佳祐が好きだよ…っ」

「…うん」


私の言葉に、そう答えるだけの佳祐。

少し落ち着きを取り戻し、私から口を開いた。


「さっきの佳祐の友達」

「あぁ…コータ?」


と、私と同じ目線にかがみ、タバコを取り出した。
< 22 / 402 >

この作品をシェア

pagetop