永遠の片想い
佳祐は、懐かしむように話し出した。


「鉢合わせた日のお前の泣いてる顔が、頭から離れなくてさ。どうしようもなくて、メールしたんだ」




"起きてる?"




あの時のメールは、佳祐からの精一杯の気持ちだったんだ。

そんな事を、今になって知った。


「返事こねぇってわかってたけど、すげぇ寂しくて」


そう言って、頼りなく笑う佳祐。

私は涙を堪えながら、口を開く。


「嬉しかったよ」

「…絵里」


あの日の朝メールを見た時、全てが夢であって欲しいと、神様に願った。


だけど、現実は何一つ変わらなくて。

結局私は返事が出来ないまま、今この場所に居る。
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