永遠の片想い
そう切り出したのは、佳祐の方だった。


「…うん」


私を好きだったと言ったあの言葉は、きっと佳祐からの最後の嘘だったと思うけれど。

今の私には、そんな嘘さえも優しかったね。


「送るよ」


と、向けられた視線。


「いや…今日は、一人で帰る」


だって、背を向けて歩き出す、そんな私達だから。

佳祐は"わかった"と、寂しそうに笑った。


「じゃあ…」


言いかけた後に、繋げていい言葉がわからない私。


「…じゃあな」


佳祐もまた、同じ思いからなのか、そう言ってポケットに手を突っ込む。

公園を出た私達は、それ以上の言葉を交わさず、背中越しにただ、お互いを想った。
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