永遠の片想い
お気に入りのミュールを履きながら、ママにそう言うと、リビングから大きな声が響く。


「いつも言ってるけど、女の子なんだから、気をつけてよ!」

「はーい」


ママの声に返事をし、私は外に出た。


「ごめんね、お待たせ」


昨日ぶりに会う、シュンくん。

整った顔から覗く瞳は、相変わらず優しかった。


「あー、まじ怖ぇ」


と、私を単車に乗せる事を、嫌がる。


「私、歩いて行ってもいいよ。シュンくんと一緒なら」


笑って言うと、シュンくんが頭を抱える。


「その顔は、反則でしょ」


そう言って差し出された愛しい手に、私も自分の右手を重ねた。


好きだなぁって、素直にそう思ったんだ。
< 258 / 402 >

この作品をシェア

pagetop