永遠の片想い
「まじかよ、雪降ってるし」


外に出ると、彼はポケットに手を突っ込みながら、夜空を見上げた。


「本当だ。今年も、ホワイトクリスマスだね」


真っ暗な空からは、真っ白な粉雪が降り注ぐ。


「あ、アツシ」


シュンくんが指差す先には、単車を押しながら歩くアツシと、ケーキを抱える女の子の姿が。


「アツシっ!」


その声に反応し、アツシは少し急ぎ足で駆け寄ってきた。


「先輩、すいません!遅くなっちゃって」


アツシの肩に落ちる雪は、すぐに溶けていく。


「大丈夫か?あんまり遅ぇから、何かあったかと思ってよ」

「すいません…」


心底ホっとした顔で、シュンくんは胸を撫で下ろした。
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