永遠の片想い
突然雪が降り出し、視界が悪くて運転が出来なかったとか。

そんなアツシの後ろで、女の子が小さくくしゃみをした。


「大丈夫?寒かったね」


そう言って、私がしていたストールをかけると、"すみません"と頭を下げた。


「この子、同じクラスのミサキ」


アツシはそう言って、少し照れ臭そうに紹介する。


「彼女か?」

「ち、違いますよ!」


慌てて否定するアツシだったけど、耳まで真っ赤だ。


「とりあえず、中入ろうぜ」

「ミサキちゃんも、行こう」


私の言葉に、彼女はかわいらしい笑顔を見せた。


だけど、この子の存在が私を悩ませるなんて。


雪が降る夜、私はまだ何も知らないでいた。
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