永遠の片想い
「どうした?」


人目を気にせずにシュンくんの腕に絡み付く私に、彼は驚いた顔を見せる。


「何でもないよ」


上手く笑えない私は、トイレを理由にその場をあとにした。


心配そうにするシュンくんを背に、少しだけ安心した自分がいる。

私は、愛されてる…と。


廊下に出ると、たまたま鉢合わせたアツシが、軽く頭を下げた。

それを無視して、"あのさ"と口を開いたのは私。


「ミサキちゃんと、付き合ってんの?」


その言葉を、アツシはまさかと言わんばかりに否定した。


「付き合ってないっすよ!俺が…好きなだけです」


そう言って俯きながら笑うアツシは、ひどく悲しそうな顔をしている。
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