永遠の片想い
「…んな顔すんなら、最初から聞くなよ」


唇を噛み締めながら涙を堪える私に、彼は困ったように小さくため息をつく。


「ごめん…」


本当、聞かなきゃよかった。


でもね−−−……


「バーカ」


そう言って頭を撫でる彼を見て、私はやっぱり佳祐が好きなんだと思ったんだ。


「それでも好きだよ」

「お前、本当バカ」


私もそう思う。


だけど、人の気持ちは不確かなもの。


もしかしたら明日は佳祐が私を好きになるかもしれないし、明後日は私が違う人に恋をするかもしれない。


人間の気持ちは、未来に保証なんて出来ないんだから。

切ない想いは、愛しさを募らせる。
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