永遠の片想い
「俺が不安にさせてたなら、謝る」


"ごめんな"と、シュンくんは何度も私に小さく呟く。


「違う…私が勝手に不安になっただけ」


結局、ミサキちゃんの事を聞く勇気なんてなくて。

言いたい事も、聞きたい事も、飲み込んでしまうんだ。


傷付く痛さを知っている私達はそれを恐れ、本音を言えないでいた。


「好きだよ」


"離れて行かないで"と泣き付く私を、シュンくんは宝物を守るように、優しく抱き締める。


私達は、いつから傷付かない方法を選ぶようになっていたんだろう。


お互い気付かないうちに、自分を守ろうとする気持ちから、常に逃げ道を作っていた。

不安な気持ちだけが、積み重なっていく。
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