永遠の片想い
「…いいよ」


やっぱり私達は、言いたい事を笑顔の裏に隠しているんだ。

待ち合わせした場所に行くと、先に待っているシュンくんの姿が見えた。


「シュンくん」


その声に振り向いた彼は、申し訳なさそうな顔をする。


「昨日は、本当ごめん」


頭を下げるシュンくんに、私は"もういいよ"と言った。

本当は"何で受け取ったの?"って、聞きたかったのに。

答えを聞く事も、器の小さい女だと思われる事も嫌だったから。


「でも、私からのバレンタインは、もうないから」

「…え?」

「昨日、パパにあげちゃったからさ。ごめんね」


私の言葉に、シュンくんは少しだけ残念そうな顔を見せた。
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