永遠の片想い
「また?私、もう着いたんだけど」

『まじ、ごめん。また連絡する』


"ごめんな"ともう一度告げられた後、耳元で鳴り響いた通話終了の機械音。

最近シュンくんからドタキャンが多くて、何となく胸騒ぎがしていたんだ。

仕方なく街中をフラついていると、懐かしい横顔に胸が高鳴った。




「佳…祐」




私に気付いた彼は、少しだけ驚いて眉を上げた。


「よぉ…久しぶり」


どうしてなんだろう。

たった一瞬の出来事で、こんなに簡単に気持ちが揺らぐ。


佳祐の左手の小指には、あの夜私が返した指輪が光っていた。

そして私の右手の薬指には、クリスマスにシュンくんから貰った指輪が光る。
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