永遠の片想い
私の右手に気付いた佳祐は、少しだけ寂しそうに笑う。


「シュンと、上手くいってんの?」


大好きだった人に聞かれると、何だかすごく複雑な気分だ。


「多分ね」

「何だよ、多分って」


目を細めて笑う横顔が懐かしくて、いつかの恋心を思い出した。


「佳祐は?」


その問い掛けに、彼はひどく悲しそうな顔で答える。


「んー、俺は…微妙かな」


佳祐を、そんな顔にさせる原因は何?


「何か…あったの?」


心配そうにする私に"いや、何でもねぇよ"と、タバコをくわえた。


「今からデート?」


その言葉に、予定がなくなった事を思い出す。


「…の予定だったけど、ドタキャンされちゃった」
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