永遠の片想い
だからと言って、佳祐と遊びに行く程の気持ちはなくて。

私は今、確かにシュンくんを好きなんだと、思い知った気がした。


「…お前さ。ミサキって女、知ってるか?」


その名前に、胸がドクンと跳ねる。


「知ってるけど…何で?」


恐る恐る聞く私に、佳祐も困った顔をした。


「俺が言う事じゃねぇんだけどさ。あいつには、気をつけろよ」

「気を…つける?」

「あの女、シュンの事狙ってるみてぇだから」


蘇るのは、バレンタインの事。


「大丈夫だよ。私は、シュンくんの事信じてるから」


その言葉は、まるで自分自身に言い聞かせているようだった。


「そっか。じゃあ、俺そろそろ行くわ」
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