永遠の片想い
「あー…夏休みが終わっちゃう」


今や常連になってしまったカラオケルームで、私は一人そう呟く。

もうすぐ新学期が始まるのかと思うと、どうにも憂鬱だった。


「とりあえず歌えよ」


そう言ってメロンソーダを飲みながら、佳祐は私にマイクを投げる。


「そーいえば、お前どこの高校行ってんの?」

「私?西崎だよ」


その答えに一瞬佳祐の顔つきが変わった気がしたが、すぐにいつもの優しい顔に戻る。


「佳祐は?」

「教えてやんない」

「何でよ」

「学校まできそうだから」

「私、ストーカーじゃないんですけど」


ふてくされる私を見て、佳祐はおもしろそうに笑っていた。
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