永遠の片想い
好きになればなる程、いつも不安で仕方なかった。

そう言って、彼は右手で顔を覆った。


「俺は、ミサキに逃げたんだ」



"ミサキ"



呼び捨ての彼女の名前なんて、シュンくんの口から聞きたくなかったよ。


「全部、俺が悪い。嫌いになってくれて…いいから」


"本当にごめん"と謝る彼に、私の怒りと悲しみは止められない。

繋がれていたシュンくんの左手を振りほどき、彼の顔面目掛けてクッションを投げ付けた。


「私は…っ、そんな簡単に嫌いになれる程、いい加減な気持ちで付き合ったんじゃない…っ!!」


初めて、こんな風に感情をぶつけた気がした。


「好きだから…っ、誰よりも好きだから、一緒に居たんだよ…っ」
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