永遠の片想い
「戻れないだろ…何もなかった頃になんて」


悲しそうに眉を寄せる彼に、何も答えられなかった。


でも、シュンくんの言う通りだよ。


例えもう一度やり直したとしても、私は常にシュンくんを疑ってしまう。

そしてシュンくんも、そんな私と一緒には居られないだろうから。


「俺が、壊したんだ…ごめんな」


シュンくんの口から零れるその言葉は、私達の終わりを意味している。

だから私は、いつまでも返事が出来ないでいた。



目の前に居るシュンくんも。

彼の胸元で光るネックレスも。

私の携帯の待受画面も。

お揃いのストラップも。

互いに想う気持ちさえも。



全部、いつも通りなのに。

もう、笑い合える二人じゃなかった。
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