永遠の片想い
その夜。

眠る前に部屋でボーっとしていると、ママが入ってきた。


「絵里ちゃん」


振り返ると、いつもに増して優しい声のママの姿。


「…今日は、ありがとう」


少し照れ臭くて、私は小さく俯く。

そして私の隣に座り込んだママは、ポツリポツリと話し出した。


「ママね、昔大好きだった人がいたの」

「…ぇ」

「その人と別れた時、もう二度と恋なんてしないって…そう思った」


私の為だけに話してくれてる、その気持ちが嬉しくて、私は黙ってママの話に耳を傾ける。


「だけどね、ママはもっともっと素敵な人に出逢って、恋をしたの」

「それって…」


私の言葉に、ママは幸せそうな顔を見せる。
< 344 / 402 >

この作品をシェア

pagetop