永遠の片想い
「そう。絵里ちゃんのパパよ」


ママとパパが出逢って、恋をして、そして私が居るんだと。

愛しそうに、そう言った。


「だからね。失恋なんて、乗り越えていい女になりなさい」

「ママ…」

「絵里ちゃんは、ママとパパの娘なんだから、必ず幸せになれるわ」


そう言って、私の頭をポンポンっと優しく撫でてくれた。


「ママ…ありがと…っ」


基本的に放任なうちのママと、こんな風に恋ばなする日がくるなんて、思っても見なかった。


「ほら、そんなに泣かないの。パパも心配してたわよ」


パパとママの愛情に触れて、家族っていいなって思ったんだ。

無条件で味方になってくれて、無条件に愛してくれる存在。
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