永遠の片想い
あんな形で傷付けちゃったから、誰かを好きになる事に臆病になってしまったんじゃないかって、ずっと心配だった。

だからアツシからの報告に、私は心底安心したんだ。


『絵里奈さんは?佳祐先輩とどうなってんすか』

「どうって言われてもねぇ」


そう言って、佳祐の方に視線を映す。


「いただき」


と、彼は私のモンブランを、頬張った。


「超ーうめぇんだけど」

「ちょっと、私のモンブラン!」


騒ぐ私に、みんなが笑う。


『アハハ』


電話の向こう側で、ケラケラ笑うアツシの顔も想像出来る。


「笑い過ぎだし!」


こんな風にみんなで笑って過ごせるのも、あと残りわずか。
< 351 / 402 >

この作品をシェア

pagetop