永遠の片想い
佳祐は用があるといい、先に帰って行った。


「佳祐くんには、まだ話してないの?」


チカの言葉に、少し躊躇いながら小さく頷く。


「いいのかよ、話さなくて」

「別に、話す理由もないし」


だって、佳祐にはユキ先輩が居る。

二人がまだ付き合ってる事は、知っていた。


シュンくんと別れて落ち込む私に、手を差し延べてきた佳祐だったけれど。

それは同情でしかなくて、愛情ではない。


「でも、今みたいに会えなくなるんだよ?」

「うん、わかってる」


無理に笑って、私はオレンジジュースを飲み干した。


「卒業したら、寂しくなるね」


と、チカは視線を落とす。


「そうだね…」
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