永遠の片想い
だけど、佳祐の恋愛事情を、これ以上知りたくなかった。

いくら環境が変わったって、自分の気持ちや考え方をすぐには変えられなくて。


傷付きたくないと思う半面、それでも誰かを求める自分。

現実から目を逸らす事しか出来ないそんな弱さを、ずっと隠しておきたかった。


歳を重ねれば、気持ちだけじゃ動けないってわかっているのに。

結局私は、高校生の頃と変わらない"臆病な私"でしかなかった。


「そんなにいい男だったの?」

「だから、そんなんじゃないですってば」


そう言って、お酒が入ったグラスに口をつける。


「あんた、本当頑固だよね」

「よく言われます」


私の言葉に、彼女は呆れた顔で笑った。
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