永遠の片想い
「こいつ、俺の後輩の佳祐」


その紹介に軽く頭を下げたのは、逢いたくて逢いたくて仕方なかった佳祐だった。


「初めまして」

「こっちが、前から話してた俺の婚約者のアヤカ」

「ってか…絵里奈、大丈夫?」


アヤカさんの問い掛けにも答えられない私は、涙を堪えて佳祐を見つめる。


「それで、この子が…」


シュウさんの言葉を遮るように立ち上がると、佳祐は私の前に立った。


「名前、何て言うの?」

「…ぇ」


マヌケな声を出す私に、彼は優しく笑う。


「だから、名前何て言うの?」

「絵里…奈」


やっとの想いでそう答えると、懐かしいその腕に抱き締められた。


「知ってるよ。バーカ」

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