永遠の片想い
部屋に入り、私はポケットから携帯を取り出す。

開いた画面には、不在着信の文字も未読メールを知らせるマークもついてなくて。


また一つため息が零れる。


「バーカ」


そう呟いた言葉は、小さなため息と一緒に消えていった。


ベットに横になり、窓越しに外を見る。

佳祐はこの夕日を今、私じゃない誰かと見ているのかな。

そう思うと胸が締め付けられた。


私達は用もないのに電話が出来るような、そんな関係じゃない。


何のためらいもなく抱きつけるのも。

その温もりに理由もなく触れられるのも。


全部"特別な存在"が出来る特権でしょ?


私も佳祐の特別になりたいよ。

これは、私のワガママなのかな。
< 60 / 402 >

この作品をシェア

pagetop