永遠の片想い
一秒ずつ時は過ぎていき。

空に浮かぶ真っ白な雲は、時計の針と同じ速さで夕焼けの赤に染まっていく。


携帯を開き、愛しい人の名前を画面にうつしては消しての繰り返し。


このままダイヤルして、繋がった瞬間"声が聞きたかった"と私が言ったなら、あなたはどんな言葉をくれる?


頭の中で何度もシュミレーションしてみるけど、どれも結果は同じ。


かけたいけど、かけられない。


だって、きっと私が望む言葉は返ってこないから。

突き放されるより優しくされる方が苦しくなるのは、叶わない恋だとわかっているからだろうか。


「逢いたいよ…佳祐」


沈む夕日の眩しさを理由に、私はそっと目を閉じた。
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