永遠の片想い
『この間は悪かった』


こんな風に謝ってくる佳祐の声に、どこか後ろめたさを感じた。


『コータ達と飯行ったらしいじゃん』


眠さが残る頭に、バイクのエンジン音が響く。


「何だかんだで、佳祐も来ると思ってたから」


刺のある言い方をする私に少しためらいながら、佳祐は一言"ごめんな"と言った。


『明日何してる?』


電話越しに、タバコをくわえたのがわかる。


「多分…暇してると思うよ」


そう言うとフーっと煙りを吐き出しながら"絶対だろ"と彼は笑う。


「次は逢える?」

『…絵里』


ただ怖かった。

期待した先には、一人佇む私しかいない気がして。

どうしようもなく不安だったんだ。
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