永遠の片想い
「え…?」


マヌケな顔をすると、佳祐は"困ったな"と言って笑った。


「てか、そんな事言われたら私、一生彼氏出来ないじゃん」


そう言って笑ってみせると、佳祐は優しく私を抱き寄せる。


「佳…祐」

「俺、本当最低だな」


ねぇ、佳祐。

あなたの声をそんなに切なくさせる原因は誰?


抱きしめる腕に力を入れる佳祐。

その胸の中で、聞けない問い掛けだけがやけにリアルだったんだ。


「絵里…」


その後しばらく抱きしめられたままだった私は、名前を呼ばれる度に胸が締め付けられた。

私には決して言ってはくれない"好きだよ"の言葉は、彼女へのせめてもの償いなんだろうか。
< 72 / 402 >

この作品をシェア

pagetop