永遠の片想い
「ありがと」


結局、家まで送ってくれた佳祐。


私達の関係は友達以上、恋人未満なのかな。


確かな事は、私は佳祐が好きで、佳祐は彼女が好きだという事。

それでも彼は彼なりに、私を想ってくれているんだろうか。


「ちゃんと連絡するから」


そう言って頭を撫でてくれる佳祐の手は、やっぱり優しかった。


「電話もする」


"本当?"と疑いながら聞く私を見て、佳祐が口を開く。


「これやるよ」


そう言うと左手の小指にしていた指輪を外し、私に差し出した。


「え…」


驚いて目を見開く私に"なくすなよ"と佳祐は笑う。

その言葉に何度も頷きながら、軽く手を振り帰っていく佳祐の背中を見送った。
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