永遠の片想い
夢心地のまま玄関をあけリビングに行くと、ママが帰って来ていた。


「おかえりー」

「あれ、ただいま。ママ帰ってたんだ」

「たまには絵里ちゃんの顔見てから寝たいのよ」


そう言ってクスっと笑うママは、娘の私から見てもキレイだなぁと思う程。


「そっか。でも私、今日はお風呂入ったら寝るよ」

「えー、冷たいのね」


ママの声を聞き流しながら部屋に向かった。

部屋に入るなり、私は握りしめていた手の平を開く。

そこには、佳祐がくれたホワイトシルバーのシンプルなリングが光っていた。


「夢じゃないんだ…」


そして彼が小指にしていたそのリングは、私の薬指にピッタリだったんだ。
< 74 / 402 >

この作品をシェア

pagetop