永遠の片想い
右手の薬指にはめたまま、私はお風呂に向かった。

さすがに、左手の薬指には出来ないけどね。


「本当、夢みたいだよ…」


湯舟につかりながら、何度も何度も指輪をながめた。

お風呂を出てからも、右手が気になって仕方ない。

ベットに寝転び、天井に手をかざす。


今日会ったばかりなのに、もう逢いたいよ。


そんな事を考えていると、静かな部屋に着信音が響き渡った。

ディスプレイを見なくてもわかるよ。

大好きな人の着信音は、大好きな曲。

跳び起きた私は、すぐに通話ボタンを押す。


「は、はいっ!」

『だから声でけぇっての』


そう言って電話越しに笑う佳祐の声に、いつもより心が震えた。
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