永遠の片想い
「は?」

「連絡先からでいいから、教えて」

「…めげねぇのな、お前」


溜め息交じりの言葉に、私は小さく肩を落とす。


「わかったよ」

「…え」


佳祐の声に、私は顔を上げる。


「次、また偶然会えたら教えてやるよ。"偶然"だからな。狙うなよ?」


そう言って、また優しく笑った。


「つーか、早く帰れよ。もうおせぇし」

「心配してくれてるの?」

「ばぁか」


佳祐は、カラオケへと歩いて行く。

その背中を見送っていると、カラオケの前で突然佳祐が振り向いた。


「絵里」

「え…」

「またな」


"絵里"


確かに聞こえた、佳祐の声。

嬉しくて、嬉しくて。

私は、佳祐に大きく手を振った。
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