永遠の片想い
「おーい、絵里奈ってば」


マリの声にハっとする。


「ごめん」


そう言って顔を上げた私に、マリは"もー"っと頬を膨らませる。


「俺らも一緒していいかな?」


コータくんは、少し気を使いながら言う。


「あ、全然いいよ」

「やった、絵里奈のおごりね」

「だからうざいって」


はしゃぐミっくんにため息をつくと、そんな私にみんなが笑った。

歌い始めてしばらくすると部屋の扉が開き、茶色い髪が目に飛び込む。


「わりぃ、遅くなった」


入ってきたのは、あの日以来に会うシュンくん。


「おせーよ、シュン」

「体育の宮田に捕まってたんだよ」


シュンくんは、そう言って笑う。
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