永遠の片想い
ふと目が合い、シュンくんが私に気付いた。


「あ、絵里奈ちゃんだ」


子犬みたいにかわいく笑うシュンくんにつられ、思わず私も笑う。


「てか、久しぶりだね」

「そうだね」


本当に久しぶり。

シュンくんに会うのが気まずくて、何となく避けていた。

真っ直ぐ見つめられ"まじだから"と言われた夕暮れが、今鮮明に蘇る。


「元気だった?」

「うん」


何て事ない話をしながら、シュンくんはフロントに電話をし飲み物を頼む。


ここがカラオケでよかった。

だって、無意味に言葉を交わさなくていいんだから。


でも、隣に座るシュンくんとの距離は近すぎて、何となく緊張してしまう自分がいた。
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