永遠の片想い
「聞かなきゃ…よかった」



−−−−−……


言い残した言葉に、佳祐がどんな顔をしたのかはわからなかった。

だって、見つめた先に見える顔は、涙で霞んでしまったんだから。


結局怒鳴る事も出来ない私は、どうしようもない想いをまた一人飲み込み、佳祐に背を向けた。


片思いって、やっぱり苦しいんだね。


他の誰を好きでもいいから、一緒にいたい。

そう思った気持ちは嘘じゃないのに、思い知った事に泣いている私はどこか矛盾していた。


ほんの数分前に戻れるのなら、もう少しあの温もりに包まれていたいよ。


甘い声は聞かなかったフリをして、嬉しそう顔は見なかったフリをする。


あー…今の私は後悔だらけだ。
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