【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
───ぐぅ〜・・・・。
絶妙なタイミングでお腹が鳴ってしまった。しかも、わたしの。
自分で言うのも悲しいけれど、お腹が鳴った音はすごくいい音で。
「・・・・」
「・・・・」
2人とも無言。
松田さんは目を見開いてわたしの顔とお腹を交互に見ていて。
当のわたしは一気に体が熱くなって、鏡で見なくても赤面していること間違いなし。
やってしまった・・・・。
人間って、けっこう恥ずかしい生き物なのかもしれません・・・・。
それからしばしの沈黙。
わたしの頭の中はもうパニック。
まともに思考が働かなくて、だから何一つ考えられない。
足も根が張ったみたいに動かなくて、立っているのがやっと。
よく分からないけど、なぜか目をギュッとつぶったりして。
そうして、来たるべき人生最大の墓穴に備えて出来る限りの対策をしていた。
すると───・・。
「ぶっ!・・・・あ、すみません」
どうやら我慢の限界で、松田さんが勢いよく吹き出した。