【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
「わたしのほうこそすみません。あは、あはは・・・・」
わたしはもう、笑うほかない。
一応、笑われる準備はしていたけれど、謝りながらも松田さんの肩は小刻みに震えている。
わたしは、目頭が熱くなって、鼻がツーンと痛くなって・・・・。
“あぁ、これが涙が出るときなんだな”なんて、引きつっているであろう笑顔の裏で妙に納得した。
「じゃあ、ひとまず腹ごしらえでもしましょうか。腹が減ってはなんとやら、ですからね」
それから少しの間、控えめに笑っていた松田さんだったけど、ふっと真顔に戻ってそう言った。
「・・・・えっ?」
「といっても、この辺はファミレスもないし、コンビニくらいしか開いてませんけど」
「えっ? で、でも・・・・」
「大丈夫です。僕、明日・・・・もう今日ですね、は休みですし、朝になったら一緒に探しに行きましょう。ね?」
「は、はい・・・・」
“ね?”と言われて思わず返事をしてしまったけど、わたしの心配は松田さんが休みかどうかじゃなくて。
その・・・・。