【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
「はい。飲むとよく眠れますよ」
「わぁ、ありがとうございます」
最後に砂糖入りのホットミルクをごちそうになって、こうして心も体もポカポカになった。
わたしがホットミルクを飲んでいる間、松田さんは布団の用意をしていて。
「あなたはベッドを使ってくださいね。狭いですけど」
「いえ!わたしは・・・・」
「女の子を床で寝かすわけにはいきませんよ。僕は寝る場所を選ばないタチなので。ほら、お疲れなんだから」
「・・・・いいんですか?」
「もちろんですよ!」
底抜けの優しさと穏やかな笑顔に甘えるだけ甘えてしまって。
「すみません、じゃあ・・・・」
と、わたしはベッドを借りた。
松田さんのベッドはフカフカで、枕や布団から彼のいい匂いがほのかにした。
その匂いをかいでいると、不思議なことにすぐに眠くなった。
気持ちいい倦怠感に体中が逆らえず、一気に無抵抗になる。
これが“眠る”ってことなんだ。
そう思ったのを最後に、わたしは深い眠りの中にすとんと落ちた。