【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
◆これは、夢じゃない
◇◇◇
「ん、んん〜・・・・」
翌朝は鼻を刺激する美味しそうな匂いで目が覚めた。
寝ぼけ眼で松田さんを探すと、キッチンの冷蔵庫の影からチラチラとその姿が見え隠れしている。
「お、おはようございます」
せっせと動く後ろ姿に恐る恐る声をかけると・・・・。
「うわっ!!」
本気で驚かせてしまったらしく、松田さんは危うくオタマを鍋に落としそうになった。
でも、すぐにニコニコ笑って。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
そう聞きながら、今度はフライパンに卵を2つ落とした。
「はい、とっても」
「それはよかった」
松田さんの手際のよさに見惚れながら、そんな会話。
もちろん料理を作ったことはないし作り方も見たことはないけど、そんなわたしにも分かるくらい松田さんは手慣れていた。
「何から何までお世話になっちゃって・・・・。本当にすみません」
「いいえ、とんでもない。にしても、なんだか昨日と逆になっちゃいましたね」
「そういえば!」