【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
 
「失礼しま〜す・・・・」


よく分からない断りを入れて、まず歯ブラシを手に取る。

手に持っただけで、開けたばかりの新しい匂いがした。


その次は洗顔。

松田さんと同じものが使えるだけで満足で、男性用とか女性用とかそんなの関係ない。

初めての洗顔はぎこちないものだったけど、泡を流すとすっきり爽快な気分になった。


ブルーのタオルは洗濯したばかりのいい匂いがして、とってもフワフワで肌触りも最高。

松田さんは洗濯も上手なんだな、なんておかしなことを思った。



「あ、ちょうど今、用意できましたよ。どうそ」


洗面所から戻ると、おでんと肉まんを並べたテーブルの上に朝食が置いてあった。

松田さんは昨夜の位置にスタンバイ完了って感じで座っている。

わたしも急いで席に着く。


「じゃあ、いただきます」

「いただきます」


手を合わせる松田さんに倣って、わたしも手を合わせた。

それには“食べ物に感謝する”という意味があるのは知っていたけど・・・・。

松田さんがすると格別な感じ。
 

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