【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
それを言うと、松田さんになぜか大爆笑されてしまった。
「格別ってそんな。僕の家はしつけが厳しかったんです。だからつい癖でやってしまうんですよ」
「そういえば、昨日も肉まんに手を合わせてましたね」
そう言うと、またまた大爆笑。
「なんか肉まんに拝んでいるみたいで嫌だなぁ〜」
そう言いながら、肩をクックッと震わせていた。
わたし、変なこと言ったかな。
でも、いっか。
大爆笑の松田さんなんて初めて見たし、独り占めした気分・・・・。
ショップでの松田さんは笑ってもここまでじゃないから、なんだか得した気分で嬉しい。
「あなたといると楽しいです。こういう言い方は失礼ですけど、あなたを拾って本当によかった」
先に食べ終えた松田さんが“ごちそうさまでした”とまた行儀よく手を合わせてから言う。
その顔は、やっぱりニコニコ。
「そんな・・・・。迷惑をかけてしまって申し訳ないです」
その笑顔にこれ以上何かを望むのはいけないことだと知りながら、それでも望まずにはいられない。