【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
午前10時。
「さあ、行きましょうか」
「はい」
身支度が整うと、いよいよ出発。
玄関先で靴を履いた松田さんは、やっぱりニコニコ笑っている。
わたしも急いでブーツを履いて、ドアを開けて待っている松田さんに続いて外に出た。
とたん、眩しい光に目がくらむ。
太陽の光にキラキラと雪が反射して、街全体が大きな宝石みたいに輝いていた。
「わぁ〜、きれい・・・・」
「あれから積もりはじめたみたいですね。ホワイトクリスマスだ」
「そうですね」
横の松田さんも、美しい光景に目を細めて優しく微笑む。
そういえば・・・・と、西野さんという松田さんの同僚が言っていたことを思い出す。
『今年はホントに雪が少なくて、これじゃあスノボもできないや』
西野さんは女性だけど、そこら辺の男性よりずっとたくましい。
スポーツ全般が得意な人で、特にここ数年はスノーボードに凝っているという。
休みのたびにスキー場に行っては男性顔負けのテクニックを披露しているらしい。
世間話の情報だ。