【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
 
そうして虚しさと戦いながらあてもなく街を歩いていると、大きな公園が見えてきた。

確か店長のジョギングコースだとかで、池もあって景色もとても綺麗らしい。


「ここで時間潰そうかな」


公園には、きっと腰掛けて休めるところもあるはず。

ドールのときから足には高いヒールのブーツを履いていて、昨日もそのまま外に出ちゃったから、もう足が痛くて・・・・。

公園に入りベンチを見つけると、わたしは迷わずそこに座った。





そうして、1時間、2時間。

けして早く過ぎない時間を、公園を散歩する人たちや冬鳥が池で羽を休める姿を見て過ごす。

けれど、ただ座っているだけなのに、こういうときなのに・・・・。


───グゥ〜。


どうしてか、お腹が減る。


「困ったなぁ・・・・」


虚しさに加えて、今度は空腹とも戦わなきゃいけなくなった。

お腹が減ったところでどうにもならないけれど、だけどやっぱりお腹空いたな。

サンタさん、まだかな。

まだ夜には程遠い空を見上げて、わたしはため息をついた。
 

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