【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
 
「その顔は信じられない・・・・って感じですか? それを言うなら僕のほうですよ? おとぎ話みたいですよね。今でもあなたがドールだなんて信じられないくらいだ」


えっ。

顔に出ちゃってたかな、わたし。

忙しく自分の顔をペタペタと触って確認してみる。・・・・けれど、当然触っただけじゃ分からない。

どんな顔をして松田さんを見たらいいかも分からなくて、わたしはじっと下を向いた。

すると、松田さんが「ふっ」と柔らかく笑う息遣いと、こっちに来る気配が・・・・。


「顔を上げてください」


わたしの前に立った松田さんは、ソフトな口調でそう促す。


「・・・・」


でもわたしは顔を上げられない。

無理です、松田さん。

わたしはあなたにいっぱい嘘をついたし、困らせたり迷惑をかけてしまいました。

もうすぐドールに戻るわたしが、今さらあなたにどうして顔を上げられますか・・・・?


黙ってうつむいたままのわたしに松田さんが小さなため息をつく。

そして、肩に両手を置かれて、下から顔を覗き込まれてしまった。
 

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