【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
 
◇◇◇



そうして、わたしは松田さんに真実を打ち明けた。

そうすると、なぜか心がすーっと軽くなって、昼間見た羽を休める冬鳥みたいに安らかな気分になっていった。


わたしの話を聞いてくれた松田さんは、ただじっと嘘のような本当の話に耳を傾けてくれて。

持っていたホッカイロをくれた。

それは、どうしてか松田さんの心の温かさを示しているような気がして、不思議なことに冷めることはなかった。


全部を包み隠さず打ち明けてわたしが「はぁ」と息をつくと、松田さんはちょっと困ったような、でも嬉しそうな顔で言った。


「あなたの気持ちに応えることはできませんけど・・・・今日はサンタさんが来るまで一緒にいましょうね」

「松田さん・・・・」

「会えるものなら僕もぜひ会ってみたいですし。ね?」

「・・・・はい」


全部を受け入れてくれて、それでもなお気味悪がらずに誠実に向き合ってくれる松田さん。

この瞬間、わたしは本当に“松田さんを好きになってよかった”と心から神様に感謝した。

それから、サンタさんにも。
 

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