【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
それからまたしばらくして、やがて暗い夜空からはらはらと雪が降りはじめた頃。
───シャンシャン
シャンシャン・・・・
シャンシャン
シャンシャン・・・・
あの鈴の音が聞こえてきた。
「あ・・・・」
「そろそろみたいですね」
「はい」
松田さんとわたしは、揃って空を見上げた。
ぽつ、ぽつと小さな雪がわたしの顔に落ちて、そして溶けていく。
「そうだ、松田さん」
夜空から松田さんに視線をずらして、その横顔をじっと見つめる。
「はい?」
「どうして松田さんは、わたしのことを“ドール”って・・・・?」
ドールに戻る前に、最後に1つ、聞きたいことがあった。
サンタさんが降り立つまでに、どうしても聞いておきたいんだ。
「あぁ。それは僕が勝手に呼んでいるだけです。“マネキン”ってちょっとダサいじゃないですか」
「・・・・え?」
嘘っ。松田さんもなんて。
こんな偶然ってないよ・・・・。
「ん? どうかしました?」