【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
 
それからまたしばらくして、やがて暗い夜空からはらはらと雪が降りはじめた頃。


───シャンシャン
   シャンシャン・・・・

   シャンシャン
   シャンシャン・・・・


あの鈴の音が聞こえてきた。


「あ・・・・」

「そろそろみたいですね」

「はい」


松田さんとわたしは、揃って空を見上げた。

ぽつ、ぽつと小さな雪がわたしの顔に落ちて、そして溶けていく。


「そうだ、松田さん」


夜空から松田さんに視線をずらして、その横顔をじっと見つめる。


「はい?」

「どうして松田さんは、わたしのことを“ドール”って・・・・?」


ドールに戻る前に、最後に1つ、聞きたいことがあった。

サンタさんが降り立つまでに、どうしても聞いておきたいんだ。


「あぁ。それは僕が勝手に呼んでいるだけです。“マネキン”ってちょっとダサいじゃないですか」

「・・・・え?」


嘘っ。松田さんもなんて。

こんな偶然ってないよ・・・・。


「ん? どうかしました?」
 

< 40 / 65 >

この作品をシェア

pagetop