【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
そして今日は限定販売の様子の取材というわけで、開店前と閉店後の2回、松田さんは取材を受ける予定になっている。
一着、一着、全て松田さんの手作りのため、数はそれほど用意できなかったみたいだけど。
でも・・・・。
数少ない“松田ブランド”を手に入れるため、店の前にはたくさんの女の子たちが今か今かと開店を待っていた。
「もちろん来年もやりますよね!? でも、クリスマス限定だけじゃなく、いつでも買えるようにしてほしい、って声も多いんですよ」
それを見ながら興奮気味に訴えかける雑誌社の大沢さん───松田さんの取材担当の男性。
今ではすっかり松田さんのファンで、取材じゃなくてもちょくちょく顔を出すほどだ。
「いやぁ、それは・・・・。僕個人で決められることじゃありませんしね。皆さんの声は本当に嬉しいですけど・・・・」
一方松田さんは、少々困り顔。
「店長のご好意で限定販売が実現しましたし」と、熱くなる大沢さんを“まぁまぁ”と手で制す。
すると───・・。
「開店でーす!」
「キャーッ!!」